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障害を受け入れることの難しさ「段階理論、モデルへ当てはめるのはやめてほしい」

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障害受容とは:障害を受け入れることですが・・・

Wright(ライト)の価値転換論

上田敏氏は、価値転換について「障害が自身の人間としての価値を低めるものではないと認識でき、そういうものとして障害を受け入れる」というWright(ライト)の定義を紹介しています

価値転換には4つの側面があります
❶ 価値の範囲の拡大:失ったものとは異なった価値を見出すこと
❷ 障害が与える影響の制限:障害を直視しながらも、自己の劣等感を低下させないこと
❸ 身体の概観を従属的なものとすること:外見よりも親切さ、知恵、努力など内面的な価値を見出すこと
❹ 比較価値から資産価値への転換:自分が持っている性質、能力など内在する価値に目を向けること

障害受容に至るまでの5段階

  • 第1段階:ショック
  • 第2段階:否認
  • 第3段階:混乱(怒り・うらみと悲嘆・抑うつ)
  • 第4段階:解決への努力
  • 第5段階:受容

でもこんなプロセスばかりではないのでは?

  • 潜在化した感情がが隠されているかもしれません
    背景には感情を抑制しなくてはならないという特性によって心理問題が表面化していないだけかもしれません
  • 「自己決定」がQOLの向上につながる
    自分で自分の生き方を決定し、その後の生活を家族と共に強く生きていくという姿勢を尊重したい
  • コミュニティによる援助の必要性
    障害受容は個人でなされるものではなく、「コミュニティに基づく援助」が重要です
  • 「リカバリー」の紹介
    専門家は当事者や家族が「障害を受容していない」と考えて、責めるようなことをしていないか検証が必要です、あくまで受容するまでの過程は当事者のものであり、専門家や社会が強いるものではありません
  • 段階理論、モデルへの当てはめへの批判
    援助者や専門家がモデルありきの思考法で、独断や偏見、幻想を生じさせる可能性があります
    「そんな簡単なことではない」と知ってサポートすることが大切だと思います

生まれながらの障がい、人生半ばで受け入れざるを得なくなった障がいなど様々です。
私は誰でも、いつでも、障がいを持つ可能性はあると考えて過ごしています。
もしも自分や大切な人が障がい状態になった時、そう簡単には前向きな思いを持って生きていくことなんてできないのではないかと感じます。大きな衝撃を受け、泣き叫び、いや泣くことさえも忘れてしまったり、混乱して生活が荒れてしまったり、周りの人々が全て敵のように感じたり・・・このような出逢ったこともない自分自身の感情に触れることだってあると思います。
「こんなはずじゃなかった」と身近な誰かに当たりたくなるような瞬間もあると思います。
そんな危機をむかえた人々に対して、寛容でありたい、見守り寄り添いたい、一人ではないと伝えたい・・・共に感情の渦に埋没することなく、その人の人生の応援団のひとりにになりたい。
そう感じながら暮らすことの大切さをかみしめているところです。

文 献

一般社団法人医療的ケア児等コーディネーター支援協会「医療的ケア児等コーディネーター実践テキストー子どもの発達から読み解く事例・実践プラン集つき」2024.メディカ出版.

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