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子どもの初期感覚について「まずは前庭感覚、固有感覚、触覚を育てたい」

目次

初期の感覚の世界からの発達について

ヒトの感覚と運動の高次化発達のステージでは、まず最初に「初期感覚の世界」があります
この初期感覚とは、前庭感覚、固有感覚、触覚という受容器による刺激受容を意味します

  1. 感覚入力:刺激受容と運動表現が繋がりにくい段階
  2. 感覚運動:運動が優位、目や耳が運動に追従する段階
  3. 知覚運動:目や耳に運動が同調し始める段階

初期感覚器官の受容のしやすさは?

揺れ・関節への刺激(前庭・固有感覚)> 触覚 > 聴覚 > 視覚

まず最初の段階ですべきこと

前庭感覚や固有感覚、触覚刺激を介して慎重に関わることが大切

子どもが喜ぶ刺激や反応をやみくもに探すよりも、刺激を整理したところで継続的に関わり、一貫して現れてくる反応を子どもの原則としてとらえ、仮説を立ててみよう

例えば・・・

喉の渇き、空腹、眠気といった生理的なレベルや覚醒レベルが要因になっているかもしれない

不快な情動については、刺激内容や場面・空間・時間(長さ)などの複数の要因が想定できるかも

重い障がいがある子どもの場合は、「姿勢の変化を感じる学習」「揺れに対する身体の気づき」「前庭感覚を使った学習」「固有感覚を使った学習」を積み上げていくことが大切です

初期段階の発達支援で何をすれば良いか

感覚入力水準から感覚運動水準への変化

  1. 揺さぶりや接触、音、音楽に対し、わかりやすい情動変化や行動変化、予測反応がある
  2. 運動を起こす際に瞬間的に目を使う、焦点視や追視の始まり
  3. 未調整な運動ながらも、手で物を操作しようとする

リズミカルな声かけや短いフレーズの歌いかけ
好きな物や人の顔などに対して焦点を合わせる(追視)
触覚教材や楽器に対して「触れる、ひっかく、叩く、握る、振る」
物の操作や運動を通して「終点」に気がつくこと → 知恵が育つ第一歩になる

幼い子どもたちに話しかけるときには、自然とリズムや音階が感じられるような形になっていると思います。それはきっと、歌いかけるような方法が最も伝わりやすい方法だと知っているのかもしれません。
子どもと関わるときには、音の強弱・スキンシップのリズム・遊びの始まりと終わりなどを意識して関わっているのではないかと思います。それは大人同士のコミュニケーションとは違う世界なのかもしれません。
親や先生の肉体そのものから発せられる刺激が、心地よさを感じたり、不快な感覚を刺激したりするのではないでしょうか。発達支援が必要な子どもたちの歩みの中では、「感覚」を刺激する遊びは欠かせないものだと実感します。身体を揺らしたりする毛布・タオルのブランコはスピードを調整しながら身体感覚を刺激する有効な遊びなのだと考えています。

文 献

池畑美智子 著「感覚と運動の高次化理論絡みた発達支援の展開ー子どもを見る眼・発達を整理する視点」2020.学苑社.

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