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SEL教育で科学的根拠に基づく非認知能力(EQ)を伸ばしたい「なぜ心の知能が大切なのか」

目次

SEL(Social Emotional Learning) 社会性と情動の学習とは何?

SELとは、1968年イエール大学の教授が子どもの問題行動を減らすために始めた教育です。重視するのは非認知的側面の育成で、それは自分と相手の感情を理解する社会性と情動の学習のことをいいます。アメリカではCASEL(キャセル)という団体が活動推進しています。

SELが提唱する5つの能力

  • 自己理解(self-awareness)
  • 自己統制(self-management)
  • 他者理解(social awareness)
  • 人間関係のスキル(relationship skills)
  • 責任ある意思決定(responsible decision-making)

SELではIQ(知能指数)だけでなくEQ(心の知能指数)にも焦点を当てた教育方法を取り入れています。

5つの能力を深堀すると、どんな力が大切になってくるの?

  • 自己理解(self-awareness):自分を理解する
    *自分自身、自分をとりまく社会や文化について理解する
    *自分の感情や価値観、思考を結びつけて考えられる
    *正直さ、誠実さを示し、偏見を検証する
    *自己効力感を体験し、興味と目的をもって前に進むことができる
  • 自己統制(self-management):自分をマネジメントする
    *自分の感情やストレスを管理する
    *自制心をもち自発性を発揮する
    *個人的及び集団的な目標を設定する
    *計画性をもち、組織の能力を活用し、ものごとに取り組む
    *率先して行動する勇気を示す
    *個人でも集団でも主体的に行動する
  • 他者理解(social awareness):他者を理解する
    *他者の視点を取り入れる
    *他者の長所を認識する
    *共感と思いやりをもち、相手の気持ちに配慮を示す
    *感謝の気持ちを伝える
    *不平等なものも含む多様な社会の規範を認識する
    *状況に応じた要求と機会を認識する
    *組織やシステムが行動に及ぼす影響を理解する

  • 人間関係のスキル(relationship skills):他者とうまくやっていく
    *効果的なコミュニケーションをとる
    *前向きな関係を築く
    *文化的な違いを超えて関係をつくる
    *チームで協力して問題を解決する
    *対立しても建設的な解決策を見つける
    *ネガティブな社会的圧力に抵抗する
    *リーダーシップを発揮する
    *必要に応じてサポートを求めたり、提供したりする
    *他人の権利のために立ち上がる
  • 責任ある意思決定(responsible decision-making):適切な意思決定をする
    *好奇心と広い心を示す
    *情報、データ、事実を分析したうえで合理的判断を下す
    *個人的及び社会的問題の解決策を見つける
    *自分の行動の結果を予測し、評価する
    *批判的思考能力が学校の内外で役立つことを認識する
    *個人、家族、地域社会の幸福を促進する役割を負うことを認識する
    *個人、対人、コミュニティ、組織への影響を評価する

SELの5つの能力は「一生モノの力」になる

子どもの頃から、どんな力を育てていくと良いのかな〜
と考えてみると、やはり認知的な発達段階との関連性がありそうです。

1〜2歳:アタッチメント(愛着)の形成    

3〜4歳:自意識が芽生え、自己主張・自己統制ができるようになる  ①自己理解・②自己統制

3〜5歳:他者に心があることがわかり、自律機能が発達していく  ③他者理解

6〜11歳:他者とともに生活し、協調することを学んでいく  ④人間関係のスキル

12〜13歳:客観的に自分を観察し、まわりと協力しながら新しいことに挑戦する   ⑤責任ある意思決定

大人になっても「これだけの力が自分にあるのか」と自問自答してしまいました。
次回からはEQ(非認知能力)を伸ばす方法について学習したいと思っています。

宮尾 益知 監修「心のお医者さんに聞いてみよう 発達障害の子が18歳になるまでにしておくこと ”周辺とうまくやっていく力”の育み方」.2024.大和出版

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