目次
子どもが模倣を表出する時期
模倣の表出は、言葉を獲得する前(=前言語期)の重要なコミュニケーション行動
* パターン知覚水準からの芽生え
* 物事を見分ける力の高次化
* 身体イメージの育ち
* 対人的な志向性の絡み合い
障がいのある子どもたちにとって模倣の獲得やその広がりは発達の転換点の一つと考えられています
模倣の発達における要因
- 静観的認識
- 視覚や聴覚による弁別、記憶
- 身体自己像
- 合わせる楽しさ
- 自他の分化
5つの模倣の段階について
- 芽生えの段階
学習開始の挨拶や指先の動きでマカトンサインなどを瞬間的に真似る段階 - 一方出し段階
集団でみんなと一緒に真似ることは少ないが、刺激の少ない落ち着いた場面で、一人で手遊びの一部を再現的に模倣する段階 - パターン模倣段階
順番通りに真似ることができ始める段階
簡単な身体模倣活動や手遊びに応じるようになるが、場所は限定されている段階 - 対応模倣段階
繰り返しの模倣活動の一部変更にも対応でき、新しい模倣活動を導入してもスムーズに真似る段階 - 象徴模倣段階
リトミック活動など、イメージ表現が含まれる模倣を楽しめたり、参加できたりする段階
好き・嫌いを巡る拒否について
活動の終わりを巡る子どもの臨床的な姿
【活動の終わりや場面の切り替えで情緒的混乱をおこしやすい子どもの背景】
* 子どもが決めたタイミングで終わることが多く、他者がつくる終わりに納得しにくい場合
* 終わることへの葛藤が大きく、姿勢や情緒の崩れとともに、嫌がりながら手放すことが難しい場合
* 箱などを見せればすぐに終わりにするものの、本人の意思が読み取りにくい場合
発達支援の現場では、活動内容の中に「相手に合わせていく姿勢の育ち」や「自己の育ち」に課題がある場面が想定されます。なので「終わり」にどう折り合えるようになるかが、コミュニケーションの発達上、とても大事な課題になります。
池畑恵美子「感覚と運動の高次化理論からみた発達支援の展開ー子どもを見る眼・発達を整理する視点」2020.学苑社
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