目次
言語発達リスクについて
「1歳半から2歳で有意語がない」「3歳で2語文がない」場合は、注意しながら経過をみていきます。
主要な診察所見とは
出生前、周産期、新生児期の異常、発達歴、家族歴の聴取
一般的な小児科診察、神経学的診察、発達評価
聴力については行動観察に加えて普段の子どもの状態を知ることが重要
必要に応じて、聴力検査、心理検査(発達・知能検査)などを行い、専門施設に紹介を行うこともある
発達スクリーニングにはどんな検査があるの?
DENVER Ⅱ デンバー発達判定法
新版K式発達検査
Bayley Ⅲ
田中-ビネー知能検査
Wechsler知能検査
日本語版M -CHAT
乳幼児の発達検査については、こちらを参照してください
評価の実際
- 乳児期:喃語の有無、聞こえの有無に関して、ベルやガラガラ、積み木を入れたコップなどを揺らして聴覚刺激を左右別に行い、子どもの方位反応を確認する。
- 1歳6カ月:言語理解をみるために、「バナナはどれ?」と質問し、指さしや手さしなどの反応をみる。
発語の有無については絵柄を用いて、「これなあに?」と質問し、正しく指さしできるかをみる。 - 2歳:2語文の表出について、「お目目はどこ?」という問いかけに指さしができるかをみる。
- 3歳:写真などを利用して「このお友達は何をしていますか?」と質問して説明ができるかどうかをみる。また大小の理解や色の弁別なども可能かどうか確認する。
- 対人面での評価:日常からごっこ遊びができるかどうか確認し、指さしや注意の共有などを総合的に評価します。
対人コミュニケーションスキルの評価
- 機能的遊び:積み木を積む、車を前後に押すなど
- 表象遊び:自分の髪をとくふりををする(自己へ)、人形の髪をとくふりをする(他者へ)
積み木をおにぎりに見立てて食べるふりをする(見立て・表象遊び)、タオルがあるふりをして人形の顔を拭く(想像遊び)、ご飯を食べさせて、ねんねさせて・・・(段階的・多様なスキーマをもつ遊び) - 注意の共有:指さした先を見る
- 視線追従:他者の視線を追従する
- 非言語的コミュニケーションの使用:模倣やジェスチャーなど
ことばが遅い子どもに対する支援
言語環境を整える基本姿勢
言語を強制、言い直しをさせる態度は、子どもの自信を低下させてしまう可能性がある(控えること)。
やさしく話しかけ、反応を促したり、わかりやすく、短く話すこと。
手遊びなどのやりとりをしながら、非言語的にも他者とコミュニケーションをとる楽しさや方法を促すこと。
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